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基本情報技術者

【1問1問】稼働率の計算は「直列は掛ける・並列は1から引く」の2つだけ

MTBF・MTTRから直列・並列システムまで4問で

基本情報技術者・初学者向け・約4分・更新 2026-06-10

基本情報技術者の記事

確率と聞くだけで身構える人へ。私も学生時代、確率は苦手側の人間だった。でも、基本情報の稼働率の問題は安心していい。出るパターンが2つしかないからだ。

「直列は掛ける」「並列は“全滅する確率”を1から引く」。今日はこの2つの型を、MTBF・MTTRという基本用語から積み上げて、4問で手に入れてもらう。

稼働率=「動いている時間の割合」

まず言葉から。稼働率とは、システムが全体の時間のうち、ちゃんと動いている時間の割合だ。0.9なら「90%の時間は動いている」。

これを支える2つの用語がある。MTBF(平均故障間隔)は「故障せずに動き続ける時間の平均」、MTTR(平均修理時間)は「壊れてから直るまでの時間の平均」。つまりシステムの一生は「動く(MTBF)→壊れて直す(MTTR)→また動く…」の繰り返しで、稼働率はこうなる。

稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)

「動いていた時間 ÷ 全体の時間」。式の見た目より、意味はずっと素直だ。

【問1】MTBFが90時間、MTTRが10時間。稼働率は?

さっそく式に入れる。動いている時間が90、全体は90+10=100。

稼働率 = 90 ÷(90+10)= 0.9

これだけだ。試験では「MTBFとMTTRのどちらが分母に両方入るか」を混乱させてくるが、「動く÷全体」という意味さえ握っていれば迷わない。

【問2】直列システム——装置Aの後ろに装置B

稼働率0.9の装置Aと、0.8の装置Bが直列につながっている。システム全体の稼働率は?

直列ということは、両方が動いて初めて全体が動く。Aが動き、かつBも動く確率だから——掛け算だ。

0.9 × 0.8 = 0.72

覚えてほしいのは数字より感覚のほうで、直列にすると全体の稼働率は必ず下がる(1未満どうしの掛け算だから)。部品を直列に増やすほど、システムは壊れやすくなる。

【問3】並列システム——同じ2台を並べたら

同じ装置A(0.9)とB(0.8)を、今度は並列につないだ。どちらか片方でも動いていればシステムは動くものとする。全体の稼働率は?

並列は「どちらかが動けばOK」。これを正面から計算すると場合分けが面倒くさい。そこで発想を裏返す。システムが止まるのは、両方同時に壊れたときだけだ。

Aが壊れている確率は 1−0.9=0.1。Bが壊れている確率は 1−0.8=0.2。両方壊れる確率は 0.1×0.2=0.02。だから——

全体の稼働率 = 1 − 0.02 = 0.98

並列は「全滅の確率を1から引く」。これが2つ目にして最後の型だ。

直列と並列の稼働率の図。直列は装置A0.9と装置B0.8が両方動いて初めて動くので0.9掛ける0.8で0.72。並列はどちらかが動けばよいので、両方壊れる確率0.1掛ける0.2を1から引いて0.98
直列は掛けるだけ、並列は全滅確率を1から引く。型はこの2つしかない。

【問4】で、結局どっちが「強い」のか

問2と問3を見比べてほしい。同じ2台でも、直列なら0.72、並列なら0.98。並列にすると、1台のときより稼働率が上がる(0.9の装置単体より0.98のほうが高い)。

これが、前に科目Aの記事でも触れた「冗長化」の正体だ。サーバを2台並べる、ディスクをミラーリングする——ぜんぶ「並列にして全滅しにくくする」工夫であり、その効果を数字で確かめるのが稼働率の計算ということになる。

用語と計算が1本につながると、この単元は「公式の暗記」から「設計の話」に変わる。そうなればもう、忘れない。

黒猫

黒猫:直列は掛ける。並列は“全滅”を1から引く。複雑な構成が出ても、直列部分と並列部分に分解すれば、この2つの型の組み合わせで必ず解ける。

補足:本番でよく出る“合わせ技”を1問だけ

仕上げに、本試験で頻出の複合構成をやっておこう。装置A(0.9)の後ろに、装置B(0.8)とC(0.8)の並列ペアが直列につながっている構成だ。

解く順番は「内側の並列から先に」。まずB∥Cのかたまりを計算する:1 −(0.2 × 0.2)= 0.96。これでB∥Cは“稼働率0.96の1つの装置”に化けた。あとはAとの直列だから掛けるだけ。

0.9 × 0.96 = 0.864

どんなに装置が増えても、やることは「並列のかたまりを1台に潰す→直列で掛ける」の繰り返し。図の見た目に圧倒されず、内側から1ブロックずつ畳んでいけばいい。

試験では“ここ”で出る

科目Aでは、MTBF・MTTRからの稼働率算出と、直列・並列の組み合わせ計算が定番だ。3台以上の複雑な構成が出ても、あわてず「どこが直列で、どこが並列か」に分解して、内側から順に計算すればいい。

仕上げに、ページを閉じて問3をもう一度。「1から引く」が自然に手から出てきたら、この単元は完成だ。

稼働率の型は2つだけ。直列は掛ける、並列は“全滅する確率”を1から引く。

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