TAKKEN
宅地建物取引士の問題解説
問題
AとBが通謀してAの土地をBに売却したように仮装した(通謀虚偽表示)。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
- ア AB間の売買は、Cが善意であっても無過失でなければ、AはCに無効を対抗できる。
- イ AB間の売買は有効であり、AはBに対して土地の返還を請求することができない。
- ウ Cが保護されるためには、善意であることに加えて所有権移転登記を備えていることが必要である。
- エ AB間の売買は無効であるが、その仮装売買を前提にBから当該土地を善意で買い受けたCに対しては、Aは無効を対抗することができない。
出典:オリジナル問題|参考範囲:民法・借地借家法・区分所有法・不動産登記法(2026年4月1日現在施行の法令)、国土交通省・法務省の公表資料、不動産適正取引推進機構の試験要綱・出題範囲
正解と解説
正解:AB間の売買は無効であるが、その仮装売買を前提にBから当該土地を善意で買い受けたCに対しては、Aは無効を対抗することができない。
解説:通謀虚偽表示は、当事者がグルになって嘘の外観をわざと作り出すケースです。この虚偽表示は当事者間では無効ですが、その無効は善意の第三者に対抗できません(民法94条2項)。嘘の外観をわざと作ったAより、それを信じたCを保護すべきという趣旨です。判例上、第三者Cは善意であれば足り、無過失や登記までは必要ありません。ここでいう第三者は、仮装売買を前提に新たに法律上の利害関係を持った者で、Bからの買主や抵当権の設定を受けた者などが当たります。
ひっかけ注意:「虚偽表示の第三者は善意で足りる(無過失・登記は不要)」を軸に、当事者間は無効・善意の第三者には対抗不可、と押さえておくと迷いません。
他の選択肢はなぜ違う?
- ア虚偽表示の第三者は善意であれば足り、無過失までは要求されません。
- イAB間の仮装売買は無効であり、AはBに土地の返還を請求できます。
- ウ第三者Cの保護に登記は不要で、善意であれば保護されます。
この問題について
各法令の条文と試験範囲を参考に、Sikaku Master向けに独自作成した問題です。公式試験問題・過去問題の転載ではありません。
不動産適正取引推進機構の過去問題は無断転載が禁止されているため、本問は条文・制度に基づく独自問題として作成しています。