TAKKEN
宅地建物取引士の問題解説
問題
Aの代理人と称するBが、代理権がないのにAの土地をCに売却した(無権代理)。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- ア Aが追認を拒絶した場合、Bに代理権がないことを知っていたCも、Bに対して契約の履行又は損害賠償を請求できる。
- イ Aが追認した場合、その効力は追認の時から将来に向かって生じる。
- ウ Cは、Bに代理権がないことを知っていたときであっても、Aに対し、相当の期間を定めて追認するかどうかを確答すべき旨を催告することができる。
- エ Cは、契約の時にBに代理権がないことを知っていた場合でも、Aが追認しない間は契約を取り消すことができる。
出典:オリジナル問題|参考範囲:民法・借地借家法・区分所有法・不動産登記法(2026年4月1日現在施行の法令)、国土交通省・法務省の公表資料、不動産適正取引推進機構の試験要綱・出題範囲
正解と解説
正解:Cは、Bに代理権がないことを知っていたときであっても、Aに対し、相当の期間を定めて追認するかどうかを確答すべき旨を催告することができる。
解説:代理権のない人と取引してしまった相手方が、宙ぶらりんの状態から抜け出すための手段をそろえた仕組みです。無権代理の相手方の手段は、使える条件が異なります。催告権(本人にイエスかノーかを迫る手段)は、相手方が善意でも悪意でも行使できます。そして期間内に確答がなければ、追認を拒絶したものとみなされます。取消権は契約時に善意だった相手方しか行使できません。無権代理人への履行又は損害賠償の請求は、原則として善意無過失の相手方に限られます。本人が追認したときは、別段の意思表示がない限り契約の時にさかのぼって効力を生じます。
間違えやすい点:「催告は善意・悪意どちらでも可/取消しは善意のみ/無権代理人への責任追及は善意無過失」「追認の効果は契約時に遡及」と整理すると迷いません。手段ごとに必要な相手方の事情が違う点に注目するのがコツです。
他の選択肢はなぜ違う?
- ア無権代理人への履行・損害賠償の請求は、原則として善意無過失の相手方に限られます。
- イ追認は、別段の意思表示がない限り、契約の時にさかのぼって効力を生じます。
- エ取消権を行使できるのは、契約時に無権代理であることを知らなかった(善意の)相手方だけです。
この問題について
各法令の条文と試験範囲を参考に、Sikaku Master向けに独自作成した問題です。公式試験問題・過去問題の転載ではありません。
不動産適正取引推進機構の過去問題は無断転載が禁止されているため、本問は条文・制度に基づく独自問題として作成しています。