第5問では、工業簿記のなかでも「原価管理」に直結する論点が問われます。中心となるのは標準原価計算と直接原価計算(CVP分析)の2大テーマです。標準原価計算では、標準原価カードをもとに完成品の標準原価を求めたうえで、実際原価との差を直接材料費差異(価格差異・数量差異)、直接労務費差異(賃率差異・作業時間差異)、製造間接費差異(予算差異・操業度差異など)に分解する差異分析が出題の柱になります。直接原価計算では、変動費と固定費を区分して貢献利益を計算し、損益分岐点の売上高・販売量、安全余裕率、目標利益を達成する売上高などを求めます。
第5問は配点が比較的大きい総合問題として出題されることが多く、計算過程の正確さがそのまま得点に結びつきます。問われる金額の種類は限られており、いったん解き方のパターンを身につければ安定して得点しやすい分野です。差異については「有利差異・不利差異」のいずれかを判断させる出題も典型的です。
学習のコツは、公式を丸暗記するのではなく、差異分析を「単価×数量」の長方形(ボックス図)で整理して、どの量を掛けるのかを図で確認することです。価格差異は実際消費量、数量差異は標準単価に掛けるといった対応を取り違えやすいため注意が必要です。直接原価計算では、変動費と固定費の区分、貢献利益と営業利益の違いを正しく押さえることがつまずき防止のポイントになります。